【2025年版】NPO が押さえるべきウェブアクセシビリティ義務化対応ガイド

中小企業が今日から始めるサステナブルWebデザイン入門
NPOが押さえるべきウェブアクセシビリティ義務化対応ガイド

ウェブアクセシビリティが“義務化”されたってホント?――そんな声をここ 1 年で 3 倍に増えました。この記事では 改正障害者差別解消法(2024 年 4 月施行)を軸に、NPO の皆さまが 今日から着手できる具体策 を“なるべくお金をかけず、効果が高い順”にまとめています。読むだけで対応の全体像と優先順位がつかめる“保存版”としてどうぞ。

2024 年 4 月、何が変わったのか?

  • 2024 年 4 月 1 日、改正障害者差別解消法 が施行。これにより NPO を含むすべての民間事業者が「合理的配慮」を提供する義務 を負うことになりました。
  • ウェブサイトは「環境の整備」という努力義務の領域ですが、障がい当事者から申し出があれば速やかに対応しなければなりません。

“まだ義務じゃない”と放置すると、後から駆け込みで多額の改修費が…というケースにならないよう注意が必要です。

結論 ─ “先回り対応” が最小コストで最大リターン

  • 申し出対応を都度行うより、先にサイトをアクセシブルにする方が手間もコストも抑えられます
  • アクセシビリティ改善は同時にページ読み込み速度や SEO にも良い影響を与え、離脱率の改善やフォーム送信率の増加が期待できます。
  • 助成金・補助金の採択率アップにも寄与する可能性があり、早期対応が競争優位になることも考えられます。

結局は“費用 < 機会損失” になるので、コストではなく投資と捉えましょう!

背景・理由 ─法律と社会的要請の 2 つのプレッシャー

改正障害者差別解消法のポイント早見表

項目従来2024 年 4 月〜実務インパクト
不当な差別的取扱い禁止(義務)継続表示の欠如や案内不足はトラブルの原因に
合理的配慮の提供努力義務義務化申し出があれば“対応策の検討”が必須
環境の整備(ウェブアクセシビリティ等)努力義務努力義務(変化なし)検査報告を出す団体が増加

アクセシビリティ対応=義務 ではなく、「合理的配慮」です。実装しておけば運用負荷そのものが減ります!

具体策 ─ NPO 向け 5 ステップ軽量チェックリスト

ステップやること無料ツール / 低コスト施策効果目安工数
1現状計測WAVEaxe DevToolsPageSpeed Insights問題箇所の可視化2日
2画像の代替テキストAlt 欄に 80 字以内で内容説明、装飾画像は空 alt=””スクリーンリーダー対応率↑1日
3キーボード操作テストTab → Shift+Tab でフォーカス確認、Skip Link 設置障がい者以外の UX も向上1日
4色コントラスト確認Color Contrast Checker で WCAG AA 以上高齢者の可読性向上1日
5アクセシビリティ方針公開サンプル文を流用しサイトに掲示法令・助成金対応1日

コスト試算イメージ

  • HTML 修正(10 ページ): 6万円〜
  • 画像 Alt 付与(50 点): 2万円
  • 方針ページ作成: 1.5万円
  • 計 9.5 万円〜 + 内部工数(3日程度)

ケーススタディ ─ 小規模 NPO の想定成功例 & 失敗例

想定成功例:地域福祉団体 A(東京都内の小規模 NPO)

  • 方針公開+5 ステップ対応を行った結果、視覚障がい者からの問い合わせが 0 → 月平均 2 件に増えた想定例です。
  • また、寄付フォーム完了率も 13% → 19% に改善したという想定値を元にしています。
  • 改修にかかった想定コストは約 10 万円、投資回収期間は 4 か月程度が目安です。

JIS X 8341-3:2016 レベル AA の完全準拠でなくても、“できるところから”取り組む姿勢が評価されやすいという仮例です。

想定失敗例:国際交流団体 B(関西圏の中規模 NPO)

  • 申し出があった後に PDF のテキスト化を外部委託し、緊急対応費が 18 万円かかった想定です。
  • Alt 追加のみで終わった結果、キーボード操作が不十分でクレームが再発したという想定です。

全体設計をせず場当たりで対応すると二度手間と追加費用がかさむ、という想定例です。

※これらは実在する団体ではなく、実際の相談事例を参考にした架空の想定例です。

よくある質問(FAQ)

ブログだけのサイトでも対象?
はい。ページ数に関係なく 申し出があれば配慮義務 が発生します。
ブログだけのサイトでも対象?

はい。ページ数に関係なく 申し出があれば配慮義務 が発生します。

罰則はある?

行政罰や罰金は現時点でありませんが、行政指導・訴訟リスクは無視できません。海外では ADA 訴訟が 2,000 件超(2023 年)。

英語ページも必要?

国外支援者を想定するなら必要。日本語同様 WCAG 準拠が推奨です。

どのガイドラインを見ればいい?

日本語なら JIS X 8341-3:2016、英語原典なら WCAG 2.2 を参照。

古い CMS を使っているが対応可能?

ほとんどの場合プラグイン活用で段階的に対応できます。

実践ロードマップ ─ 30 日で“最低限”を完了させる

  • 1–3 日目:現状計測・改善計画作成
  • 4–10 日目:Alt 付与・色コントラスト調整
  • 11–20 日目:キーボード&フォーカス対応、Skip Link 実装
  • 21–25 日目:内部テスト&当事者テスト(可能ならユーザーテスト)
  • 26–30 日目:方針ページ公開・再計測・報告書作成

ツール比較 ─ 無料 vs 有料の賢い使い分け

ツール名無料範囲有料プラン特徴当社おすすめ度
WAVEチェック回数無制限なしUI がシンプル★★★★☆
axe DevTools1 件ずつ手動チーム共有・レポート自動化CI/CD 統合可★★★★☆
Siteimprove30 日月額 6 万円〜ダッシュボードが豊富★★★☆☆
AllyChecker10 ページ/月月額 4,000 円〜日本語 UI★★★★☆

まとめ ─ 今日から動くチェックリスト

  • 計測する:無料ツールで現状把握
  • 小さく直す:Alt・コントラスト・キーボード対応から
  • 方針を宣言:まずは簡易ポリシーでも公開
  • 30 日で 80% 達成:完璧を目指すより 継続改善

弊社POG lab. Web Factoryでは、アクセシビリティ対応にも力を入れております。
お困りの方は小さなことでもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

制作ディレクターのナカタです。
技術と設計のこと、WEB制作の裏側について詳しく記事にしていきます。

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