ホームページ制作で個人事業主がトラブルに遭遇したときの対処法と未然防止のポイント

ホームページ制作で個人事業主がトラブルに遭遇したときの対処法と未然防止のポイント

「そろそろ自社サイトを作ろう」と思い立って制作会社に依頼したものの、納期遅延や追加請求、ドメインを“人質”に取られる――。こうしたトラブルは法人だけでなく、フリーランスや個人事業主の方にも日常茶飯事です。そこで本記事では 「ホームページ制作 トラブル 対処法 個人事業主」 を軸に、発生時の具体的な動き方予防策を解説します。難しい専門用語はできる限り噛み砕いているので、「ITはちょっと苦手」という方もご安心ください。

目次

まずは”第三者機関に相談”

特にフリーランスや個人事業主では資金面で弁護士相談など難しい場合が多いでしょう。

そんな時の為の公的な相談窓口があります。

窓口・サービス特徴連絡先・コスト
下請かけこみ寺(中小企業庁委託)取引・支払・契約条件など “企業間取引” 全般を無料で相談。必要に応じて弁護士同席、ADR(調停型の紛争解決)も可能。全国48拠点・オンライン可/相談無料中小企業庁zenkyo.or.jp
ひまわりほっとダイヤル(日弁連)中小企業・個人事業主向けの弁護士紹介サービス。初回30分無料相談(地域差あり)。0570-001-240(平日10:00-12:00/13:00-16:00)日本弁護士連合会札幌弁護士会
法テラス・サポートダイヤル一般民事トラブルの総合窓口。資力要件に合えば弁護士費用の立替制度利用も。0570-078-374(平日9:00-21:00・土曜9:00-17:00)法テラス
地元商工会議所/商工会の法律相談会員なら無料または低額で弁護士相談日を利用できることが多い。各自治体・団体サイトを確認
弁護士会法律相談センター(ひまわりお悩み110番)一般企業法務から債権回収まで幅広く対応。0570-783-110(通話料要)soudan-yoyaku.jp

※2025年7月現在。正しくは各公式情報を参照してください。

よくあるトラブルと原因

制作前後で頻発する代表例

  • 見積りより大幅に高い請求
    打ち合わせ時に口頭でしか合意していなかったため、追加機能や回数無制限の修正がすべて別料金に。
  • 納期遅延と音信不通
    担当者の退職や制作会社の倒産で、連絡が途絶えサイトが完成しない。フリーランスなど、個人に依頼すると起こりがち。
  • ドメイン・サーバーの“取り上げ”
    契約書に「所有権は制作会社」と明記されており、移管に高額な手数料が発生。事前に移管費用などの確認が重要。
  • リース契約による長期ローン化
    ホームページを“物件”扱いでリースさせ、高額な残債が残る悪質商法。

原因は大きく

  1. 契約・仕様の不明確さ
  2. 証拠(メール・議事録)の不足
  3. 「価格だけ」で業者を選ぶ姿勢

の3点に集約できます。

トラブル発生時の“7ステップ”チェックリスト

  1. 状況整理 – 何がどこまで進み、費用はいくら払ったか時系列で整理
  2. 契約書・発注書を確認 – 業務範囲・瑕疵担保・権利帰属・解除条項が鍵
  3. 証拠保全 – メール・チャット・音声・請求書をクラウド保存
  4. 期限を区切って再交渉 – 「○日までに回答が無い場合は~」と文書通知
  5. 支払停止の検討 – リース契約の場合、経産省の通達を根拠に信販会社へ抗弁も可。経済産業省:リース契約時の注意点
  6. 第三者機関・専門家へ相談
    • 国民生活センター(188)
    • 商工会議所の法律相談
    • 弁護士会「ひまわりほっとダイヤル」
  7. 次の制作体制を確保 – ドメイン所有権を確保したうえで再委託先を選定

ポイントは「感情より証拠」。まず状況を書き出し、冷静に手順を踏みましょう。

契約段階でできる“未然防止策”

抑えておきたい5つの条項

条項要点最低限のチェック項目
仕様書・成果物画面数・機能一覧を紙面化CMSの種類、レスポンシブ対応有無
納期&マイルストン工程ごとに検収期限を明記数字で「◯営業日以内」
著作権・知財制作後の権利帰属を明示ロゴ・写真のライセンスも網羅
保守・更新費用作業単価と範囲月額/時間単価、緊急対応費
中途解約条項解約の理由と費用負担データ一式の納品義務有無

知財ガイドラインに沿った契約書雛形
中小企業庁は2024年改訂版の「知的財産取引ガイドライン」と雛形を公開しています。引用してカスタマイズすれば、権利帰属でもめにくくなります。中小企業庁

見積書・請求書の正しい読み方

  • 内訳の詳細を確認 – 「一式」でなく「デザイン3P=3万円」のように分解
  • 支払い条件 – 着手金・中間金・納品後残金の割合
  • 追加費用の定義 – 何回目から追加料金か、単価はいくらか
  • 税抜/税込表記統一 – 特に消費税増税時に誤解が起きやすい

リース商法と長期サブスクリプションに注意

ホームページは著作物であり、コピー機のように「物」としてリースする法律上の根拠はありません。しかし実際には5年×月3万円=総額180万円などの契約が横行し、解約困難なケースが後を絶ちません。契約書に「割賦販売ではなく“動産リース”」と書かれていないか要チェックです。
詳しい記事:JetB株式会社

トラブル後の再スタートで失敗しない業者選び

  • 保守・運用会社移管(引っ越し)する場合の縛りの確認。
  • 契約解除条項が受注側不利に偏っていないか。
  • 必要のないオプション・機能が組み込まれていないか。
  • 可能な場合は、テスト発注(LPやバナー)で相性を確認。

トラブルに遭わない為の基礎知識まとめはこちら

まとめ

  • 契約書・証拠・第三者相談が三種の神器
  • 見積り内訳と権利帰属を「紙・電子文書」で残す
  • リース契約は原則 NG、信販会社への抗弁も視野に
  • 予防にはガイドライン雛形と分かりやすい仕様書

“サイト制作はゴールではなくスタート”。トラブルは「準備8割・対応2割」でほぼ防げます。POG lab. Web Factoryでは、WEB制作だけでなく、トラブルに遭った場合の相談・人質に取られたサイトの救済も承っています。お気軽にお声がけください。

参考リンク

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この記事を書いた人

制作ディレクターのナカタです。
技術と設計のこと、WEB制作の裏側について詳しく記事にしていきます。

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